GTOも所有されています、常連のお客さん。 もう1台車をお持ちで、トヨタのMR2(SW20)のスパイダーという限定車。 希少ですね。 それをベースに以下の画像にあるTRD製のブリスターキットを組みたいとの事からお話が始まりました。
※作業はしばらく前からボチボチ始めていましたが、度重なる挫折感から(笑)どうにも進みが遅くなり&この困った経過をどう表現してゆくか?にとまどって、作業を進めておりました。
どう大変だったかは後々分かって行きます。(もうたしゅけてぇ~)
以下の画像はネットからの拝借画像ですが。GTマシンの様で格好イイですね。
このようにしたいとのご要望です。 しかし、それがこの先の悪夢の始まりだったりします。


ベース車は以下の画像のとおり。 オープン仕様のスパイダー。
さて、キットをどうしましょうか?というところで、残念なことに、すでにキット自体は廃盤で、国内では手に入りません。(新品正規品はありません) そこでオーナーさんが探してきたのがアメリカ製のいわゆるコピー品というやつ。 過去にもGTOのエアロなどでアメリカ製のコピー品などを何回かベース加工したこともありましたが、正直、やりたくないなという気持ちでした。 もうね、精度がいい加減すぎてぜんぜん取り付けなどできない状態だったんですよ。 まー!ヒドい。 そんな経緯もあって、海外製エアロはご遠慮したいところだったのですが、なにせモノが無いので始まらない。 ベースがあれば何とかなるでしょ?って半ば強引に(?)説得され(?)、オーナーさんはアメリカに発注を掛けました。


発注から1ヶ月あまり。 忘れていたころに巨大なダンボール箱は1個届きました。(あまりの大きさにびっくり!) これ1個にブリスターのフルキット一式いれてきたのかいな?って位の大きさ。
早速中身の確認・・・・・・・・・・・。ヤベぇ・・・すごくヤバい完成度。 18年間エアロ屋をやっていますが、どうあっても車には付かないだろう雰囲気の完成度が箱に入ったままの状態でプンプン匂います。 もう言葉で表現できない・・・。
コレをつける(無理やりにでも?)外人さんの魔法のようなテクニックが見てみたいものです。 取り付ける前から変形&面の歪み、カットラインの適当さ、角まで削ってしまっていてエッジラインがまったくわからず、しかも純正鉄板フェンダーの2倍以上の重さでありえないFRPの厚さ。 純正より重いFRPフェンダーやバンパーって・・・・・。(冷や汗) しかも、表だけでなく、裏側までべったりとブラックサフェーサーを塗りたくってしまっている感じ。もうすべてが絶句です。
手前のブラックサフェーサー仕様のがTRDのコピーバンパー。 ぱっと見た感じは普通そうですが、重さがハンパではなく、片手でもてません。 マジで。 しかも実車と仮あわせしようとすると、片側6センチ以上(づつ)広いし、重くて厚くて硬いから反らせようとしてもビクともしない。 途中の提案で、下半分をNSXの純正タイプバンパーにすげ替えて仕様変更するのもイイな!となったので、じゃあ切り刻んで上半分だけ使って下をNSXタイプでゆこう!となりました。
後ろに見えるのはそのNSXタイプのFRPバンパー。 こちらはちゃんとした日本製でクオリティもバッチリでとても綺麗な商品。 安心できます。


じゃあスゲ替えしましょ!ってことでバッサリアメリカ製バンパーを切断・・・・が厚くてなかなか切れねぇ・・・・。なんつー厚さだ・・・・。

とりあえず、そのまま付けようとすると、どこも合いそうにない精度でしたので、左右のヘッドライト脇のアールを基準としてチリを決めてゆこう!とさらに真ん中でバッサリカット。 もうどうにでもなれ~!てな具合です。(爆)
その結果、両端のアール基準であわせると、真ん中がこんなに空きます。

両角のチリはこんな感じ。 まだチグハグですが、これを基準に修正したいなぁ・・・・と。 でも、これがまた悪夢の始まりなんですよ。


全体的なアールも合わせるために、とやっていたら、左右のフェンダーに沿う張り出しが、右と左で全然違うの・・・2センチくらい・・・。駄目だこりゃってんで、もうこの際バンパーは捨てます。(キッパリ!) 意地でボンネットと沿う部分のフィッティング部分だけを切り取って(バンパー全体の3%くらい)、そこだけ使う方法に変更しました。 (もう!このバンパーいらなかったじゃんかぁ!)
そのフィッティング部分ですらぜんぜん会わないのですが、ここまできたらもう意地ですわ。 切込みを入れて、アールをあわせて加工の足がかりを作ります。 さーて、残りの97%をこれから作らないと・・・・(もう泣きたい)


明日は、この続きから掲載。 まだまだ先は長いです。
国内製のコピーエアロで合わない合わないって言っている人! 海外製をナメちゃいけませんぜ! 付かないどころか、違う車用じゃね?っておもいたくなるモノばかりです。 切った貼ったの加工前提で考えないとハッキリいってつきませんというか付けられません。 どういうクオリティを目指してつくっているのか分かりませんが、日本人の仕事に対する繊細さや緻密さとかっていうものが如実に分かりますね。 すべての製品がそうとは言わないですが、海外のエアロはおおざっぱすぎるだろ!
- 関連記事
-
- 2014/06/25(水) 18:33:37|
- エアロ加工/塗装 など
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
海外製エアロや海外製アフターパーツ
時折 持ち込みでお客さん持ってくるときあるけど
雑誌とかに載ってる安いものだとあまりのクォリティの低さに具合悪くなりそう
でもって問い合わせとかすると
「そんなのも付けられねーのか?」みたいなクォリティとは真逆な高飛車な態度
ムカツクから んじゃくっつけたるぜ!って思うんだけど
馬鹿らしいからお客さんに言って追加料金もらって加工して付けます
- 2014/06/25(水) 20:23:21 |
- URL |
- ナガツマン #-
- [ 編集 ]
ナガツマンさん>日本製のコピータイプエアロは、合わないとか歪んでいるとかいっても、まだ修正できる現実的なレベルです。 アメリカ人は(一部の人だけかも知れませんが)、仕事がおおざっぱ(よく言えばおおらか)で、作りも適当な仕上がりなんですよ。 私は、エアロの原型/型も作っていますので、恐らく推測ですが、型取り(複製)をするときに、 ①整形する際に1%程、製品の方が収縮する ②厚く一気に積層すると発熱効果が促進され、熱変形の確率が上がる ③型取りをする際に、実車に付けた状態でメス型の型を取っていない(&熱変形を見越した補強をオス型に入れていない) などの理由があると思います。 特に最後の理由。 フェンダーやバンパーなど3次元的に出来ているモノは、平面に平置きした状態で型取りをすると、歪んで正確な離型ができなくなってしまいますので、本来は実車に付いた状態で、割型となるメインの本体を先に積層&補強するのですが、そのあたりも横着しているのでしょうね。
お客さんの持ち込みの部品といえば、台湾や中国製の電装品(電飾品)がクオリティは低くて残念ですね。(台湾はまだマシですが・・・) メッキなどの質もわるく、すぐハゲたり、サビたりしてしまいますね。 新品状態の見た目だけはちゃんとしていそうなクオリティですが・・・。
ネット販売が一般的になったのもあって、良くも悪くもいろんな部品が出回っています。
- 2014/06/25(水) 23:22:27 |
- URL |
- TOECUTTER改めKAZEです #-
- [ 編集 ]